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guizillenのワークショップ風の報告

おはようございます。
もうじき姪っ子か甥っ子が生まれる佐藤です。楽しみです。

先日開催されました「guizillenに出てみたいと思っている俳優向けワークショップ風」(以下「ワークショップ風」)の報告です。ワークショップの報告? と不思議に思われるかもしれませんが、たいへん有意義で、これは今後も開催していきたいと強く思ったものですから、今後参加されたい方やご興味のある方の動機になればと報告させていただきます。

ご参加された方々のプライバシーや、特定に繋がるような記載はいたしませんのでご安心ください。


○まずワークショップ風ってなあに?

まだギジレンに出演したことのない方向けに、ギジレンってどんな連中だろう? どんな風に芝居をつくるのかな? というのを実際に体験してもらいましょう。そして私たちもまだ出会っていない俳優さんたちと一緒に演劇のお稽古をして、これから機会がありましたらよろしくどうぞという回でした。オーディションほど肩肘張っていない和やかな会でした。


まず、ワークショップ「風」とした理由ですが、私たちギジレンは固有の方法論を持ち合わせていません。これこれこういう風にするとギジレンのお芝居になりますよといったようなメソッド、これをクリアしたらギジレンに出られますよといった課題、そういうものがありません。

だから我々から授業や講座のように、みなさまに何かを教授するということはできません。
とはいえただギジレンの台本を配って、そのシーンの練習をしたところで、そのシーンに関してはみなさん上達するでしょう。また私(佐藤)が役者さんたちの演技を見て所感など述べても、それはなんら特別な、ギジレンでしか聞けないという性質のものではないと思います。普段から公演の稽古で特別優れた指導をしているという自覚はありません。

かといって「お楽しみ会」にしてしまうのは、あまりに刹那的というか、もう少し建設的で、持ち帰るもののある会にしたい。そういう思いから「ワークショップ」とは言い切らず「ワークショップ風」としました。
結果的にこれは正解だったと思っています。



○実際なにしたのよ



最初はいつもの名前鬼からです。体を動かして汗をかきながら、適度に頭もつかって、互いの名前を呼び合う。私たちがいつもやっているシアターゲームです。名前鬼自体の上達よりも、互いの緊張感をほぐし、親しみやすくするのが主目的で、独自ルールを加えながら楽しくワイワイやりました。私(佐藤)はもちろん3コマすべてに参加していましたが、終わったあとは階段を上り下りする度にふくらはぎがメリッといっていました。運動不足を痛感させられる指標にもなります。



「このワークショップ風」になにを期待してきましたか? というお話をみなさんにお伺いしました。これを通じてどうなりたいとか、なにを得たいとか。みなさんが挙げてくれた動機をなるべく細かく分析して「より良い・より有意義なワークショップ」を実現するためのディスカッション、というには佐藤がベラベラベラベラ喋りすぎてしまいましたね。

例えばこんな例がありました。


色んな人に出会いたかった → ほとんど達成されていますね。あとは自分のコミュニケーション能力次第!

ヒマだった → 楽しめたなら良かった!

ギジレンがどんな風に芝居を作っているのか知りたかった →
ギジレンのどんなところにそう思わせる要素があったんでしょうか? そしてそれを魅力と感じたのなら、それをどうやって自分のものにしていけるか、私たちがなにを意識して演劇に取り組むと良いか一緒に考えましょう。


といった感じでつついてつついて分析して、共有する。それによって演劇への取り組み方を今一度考える。案外普段ない機会でした。公演の稽古では、その作品を完成させることが一番の目標で、「もっといい役者になるには」とか「上手い役者と魅力的な役者の違いはなんだろう」とか考えたり、試行錯誤する時間がなかったりします。みなさんの経験を元にした様々な意見が交換されました。

そこで、先ほどギジレンには固有のメソッドがない。と申し上げたばかりでしたが「なにを尊しとして演劇を作っているか」「演劇を作る上でギジレンが重要視している要素」そういったものが浮き彫りになってきました。それは以下の三点です。

1.元気にやる
2.楽しむ
3.仲良くする

バカみたいと思うでしょうか。でもこれが案外、奥が深いんです。

1の元気にやるというのは、なにも大声出しながら大暴れするということではありません。静かなシーンや精密なやりとり、そういったものにも元気は必要です。言い換えれば集中力だったり、自信だったり。役やセリフが腑に落ちていなければ、舞台の上で後ろめたさや不安が拭えませんね。そういった要素はすべて元気に演じることの障害になります。本番までに解消しておきたいポイントです。

2の楽しむは1の元気にやる、と重複する部分も多いのですが、やはりわざわざ演劇をやっているからには楽しくやりたいよねという前向きな精神です。本番だけでなく稽古場でも、楽しくあるために自分ができることはなんだろう。人に求めるものは? 共演者とどう関わるべき? 演出家にはこうであって欲しい。さまざまなケースを想定して、より楽しい稽古を、本番を、そして演劇ライフいやマイライフを実現するためには? 我慢して演劇やってる子はいませんか? もう一度、どうして君が演劇を始めたのか、演劇を通じて君はどうなりたかったのか考えてみよう。

3仲良くする。人類にはいささか難しい課題かもしれませんね。「友だちごっこ」とか「遊び」というワードから否定的な感情を抱く方もいるかもしれませんが、ギジレンは仲良し大推奨です。もちろん無理に仲良くしろ、絆! 俺たち親友。永久不滅! みたいにしろということではありません。思いやりをもって、共演者を尊重しましょう。ということですね。チームワークともいいますが、やはり互いに信頼のある人たちが生み出す熱量はすさまじいものですし、もしあなたが演技のことで悩んでいたら、きっと仲間が助けてくれる。それはきっと本番が終わってからもあなたの財産になりますよ。と。

ここは幼稚園かい? ギジレンはそんなチャチな教義を信じているハッピーハッピー教団なのかい? と思うでしょうか。
でも私たちはこれらの価値を本気で信じています。この3つは演劇作品の質を大きく左右する重要な要素なのです。
以上、ギジレンから教えられる演劇論のすべてでした。


こんな風にディスカッションは進みました。
そして次に


あなたはどうやって役者として成長しましたか?(上手くなりましたか?/魅力的になりましたか?)
という質問を全員にしました。けっこうみんな苦笑いしてましたね。
でもすんッッッッごく有意義な時間でしたよ。「上手くなった自覚はないけど・・・」そんな風に謙遜して話しだす人も多かったけれど、そうやって語ったあなたの経験談はすごく素敵だったし、語っているあなた自身は偽りなく素敵でした。


・観客の目ばかり気にしていたのをやめた。
・演技以外に自信を持てる特技を見つけた(ダンス・歌・アクション・サッカー 他)。自然と演技にも自信が持てた。
・演じよう演じようとすることをやめて、自分らしいスタンスでいるようにした。
・弱点やレッテルを強みにした。
・一度諦めたらそこから良くなった。
・自分の武器は何だろうと考えるようになった。
・自分を褒めてくれる/悪いところを指摘してくれる人が身近にできた。
・もうひたすら場数。
・演出家のオーダーを聞くようになった。
・思い込みで演じるのではなく、ひとつのシーンやセリフに対して多角的なアプローチを考えるようになった。



ほかにも、様々な意見が具体例を交えてたくさん飛び交い、またそれに対して共感したり、感心したり、気付いたりすることでもっとどんどん素敵な俳優になっちゃおうよと、欲張りな時間でした。そして贅沢な時間でした。ほかの俳優さんたちのヒストリーを聞くことって、案外あまりないですからね。興奮しました。

いろんな意見がありながら、多くの意見が突き詰めると「元気にやる」「楽しくやる」ことに収束していくのがまた、大変興味深かったですね。



ちょっと台本やりました。
多少「こうするともっと良くなるんじゃないかな」というアドバイスをしたりもしましたが、それよりは他の俳優さんがそのシーンやセリフ、役に対してどういうアプローチで演じるのかを観る。そして自分の演技を相対化する。それだけで有意義でした。もし時間が許すなら、自分がなにを思ってそう演じたのか、試しに違うアプローチにも挑戦してみようか、あなたはなにを思ってそう演じたの? そんなことを話したり、試したりするのも良かったかもしれません。


○総括

とにかく楽しい会でした。そして単発で終わらせてしまうにはあまりにもったいない。というより、一回だけやってあ〜有意義だった。と感じてもやがて時間の経過とともに実感が薄れていってしまうだろうなと。なんなら毎月でも開催して、演劇に対する向上心とか、好きという気持ちをちょくちょく刺激するきっかけになればと、そう強く思いました。


今回は「guizillenに出てみたいと思っている俳優向け」としましたが、そこに限定するにはちょっともったいないなと思いましたので、対象を拡げて「俳優向け」のワークショップ「風」としてもいいなと。

「演劇をはじめてみたい人向け」とは少し趣旨が違いますので、あくまで「俳優向け」に。
「はじめてみたい人」にギジレンは・・・なんだろう、もう少し基礎とかちゃんとしてる人たちに教わった方がいいような・・・デタラメばっかり教えてしまいそうなので、今はごめんなさい。


さっそく次のワークショップ風の開催日程を決めて告知! といきたいのですが、いつも稽古場を取ってくれているうちの風太くんが本番直前で忙しいので、また彼が落ち着いたら告知させていただきます!


くによし組の「人人」という作品です! 会場は王子小劇場! 詳しくは「くによし組」で検索してね。


改めて、先日のワークショップ風にご参加くださったみなさんに感謝を。
そしてこれから出会うあなたたちも、よろしくお願いします。ニンニン。


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