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不眠の草 春の嵐 (佐藤)

公演のない時期は、ブログの更新ばかりになる劇団ギジレンです。だけどブログ更新がないと、なにもない劇団になってしまいます。汁なし担々麺です。
 
なにもないということはありません!(逆ギレ)
みんなアルバイトをしています。演劇は経済的に非生産的です。劇団員みんなが毎月5000円ずつ劇団に預金したら、公演打つよりよっぽどお金が貯まります。でもそれはしません。……悔しいから。
 
とはいえ、演劇の公演だけでお金を稼いで生活するのは至難のわざです。ぼくたちみたいに作品以外の商品をほとんど持たない劇団には、たぶん、どう計算しても無理なはなしです。
 
わかりやすく残酷な算数の例を挙げますと、劇団の公演のみでギジレンの劇団員を養おうと思ったら、こないだの「楽園」なら、チケット代が8000円で全て完売していれば劇団員一人一人に25万円くらい渡せます。そんな公演を年何回成功させればぼくたちは人らしく生きられるでしょう。
 
物販とかいろいろ方法はなくはないと思うんですけど、ギジレンキーホルダーとかギジレン缶バッジとか、ぼく自身が欲しくないものは売れません。
Tシャツは地元の友達も普段着にしてくれているので(こないだギジレンTシャツを着て仕事してるとこを見ちゃいました。うれしい)これからも売ります。
でもめるTは初回限定版として増刷しないでおこうかな、どうしよっかな。古参ファンの方だけが所有している初回限定版めるT…いいじゃないですか。いつかオークションで高値がついちゃったり。クフ王の墓所から発掘されたりしちゃったりして。しない。
 
だからチヂミ屋を開きます。チヂミ屋の売り上げで劇団員を養い、公演を打ちます。そして地上で最後に生き残るのは、チヂミ屋の片手間に演劇、もしくは演劇の片手間にチヂミ屋をやっていた我々だった……というのも与太話でなく、劇団で食っていこ~なんて話よりもよほど現実めいた話だな、と。もちろん宇宙進出は目指し続けますよ。でも演劇だけでお金を貯めようと思ったら…。それに固執して潰したくないから…。長く生き残ったやつの勝ちです。夭折(ようせつ)の芸術家とか、やたら評価される風潮ありますけどね。幻想ですから。わたしは長生きしたい。
 
 
生々しい前置きが長くなりましたが、先日終了致しました9llen「楽園」にご来場くださった方、気にかけてくださった方、あらためて本当にありがとうございました。
 
毎年このくらいの気温が上がる時期になると不眠症になるので、眠れないならと開き直って筆を執るなりでございます。
 
昔、皮膚科の先生に言われました。ぼくは季節や気温の変化に体を適応させるための器官が弱いらしいです。そのせいで手の皮膚が季節の変わり目ごとに脱皮します。珍しいでしょ。不便しかありません。キィ。
 
 
楽園の話を少しだけ。
楽園に限らず毎度評価は賛も否もありますし、一個の公演でも回によって評価が分かれちゃうこともあります。これはぼくの未熟さ故でもありますが、演劇とは、いえまあだいたいのものがそういうもんだろうと思っています。ただ、劇団を始めた当初より批判的な意見も多少耳に届くようになってきたので、お客様がぼくに対して容赦がなくなってきたんだなと、前向きに考えるようにしてます。いやでもほんと努力します。ごめんなさい。
 
ラーメンズの方でしたか、曖昧ですが、批判的な意見が出るようになって「俺らもようやくここまで来たか」とおっしゃったのは。記憶違いかな。夢で見ただけかもしれません。すみません。
 
賛否両論あった、なんてのは当たり前すぎていまさら書くことでもないんですが、今回の「楽園」お客様の男女でかなり意見が割れた印象があります。これは、おもしろい。
 
具体的には、男性があんまりで、女性がかなり好意的な意見をくださったように感じました。
 
おーー。これはそうなるようにハッキリ意図したワケではないんですが、まったく無意識というワケでもなかったので、とても興味深い結果だなと思いました。というのは、今回の楽園は少女たちがテーマだったので、ぼくも乙女心で脚本を書こうと意識していたのです。なに言ってんだと思わないでください。本当なんです。
 
すんごく言い訳がましく聞こえると思うんですが、物語の筋や構成の脆弱性はハッキリと理解しています。こういう、理性的な部分をなるべく捨てて、そういうのより、感情とか、雰囲気とかそういうもので押し切ろうと考えて書いていました。そういう部分が多くの男性に不満を与え、逆に女性に受け入れられたのかなと思います。
 
すごくあけっぴろげな話をしますと、「七月の歯車」も比較的そういう傾向にあって、去年上演した「賭け」とかはむしろ男性に受け入れられた印象がありました。あれー、七月の歯車のときは喜んでくれたあの女性あの女性あの女性、「賭け」はあんまりピンと来なかったんだなーというのがちょっと引っかかってて、「楽園」でまた少し、女性的な感性で書けたらなーって、そういう、終演後だから言語化できる、当時はフンワリとした気持ちがありました。急にポエム読み出して場面転換したり、あとやたらと心情を吐露するモノローグを入れたり。ポエミーでシルキーな言葉のチョイスで。ぼく自身もともと心情を吐露する系のモノローグは便利すぎてズル技だと思ってるので普段は避けてるんですよ!それを楽園ではむしろガンガン多用していったと。ハミングバード どこへ行くの……? 知らんがな。
 
あっ、なんかすごいまるでバカにしてるような書き方になっちゃってるけど違うんですよ。自分のそういう浅はかさを批判的に自供する意図でちょっとトゲのある言葉づかいになってるだけで、どの脚本もぼくが書きたいと思って書いたものですから、お願いします。ぶたないで。
 
女性的な感性とか、男性的な感性とか、どっちも傾向があるだけで、明確な線引きがあるわけないことは、小鳥でも知っていますね。男性でもとっても評価してくださった方はいらっしゃいましたし、女性でもつまんなかったなーって思った方はいると思うんで。ていうかわりとそういうテーマの物語でもありましたしね?
どうだろう。
 
あのセリフの意図は?とか、あのシーンの意味は?とか、書こうと思ったらいくらでも書けるんですけど、公演終了してもう1週間ちょっと経ちましたからね、やめましょう。またいつか機会があれば懐かしんで振り返ったりするかもしれません。
 
でもやっぱりちょっとだけ、あれはぼくにとってはハッキリ先生の話でした。成長もしないし、親子の和解も歪んだ形でしか達成してないけど、シノの「似合うね」の一言で先生は初めて自己実現できたんなーっていう、あの一瞬のために他の全部のシーンを作った感じでした。あ~誠二~~
 
あともういっこだけ。
他の少女たちの精神が幼く、無知なのに対して「シノ」という少女だけがほとんど男性時代の人格を喪失しているのは、教育の差だとぼくは考えています。シノはスミレさんという女性に教育を受け、自立した一人の女性(まだ少女)として成長しました。が、男性である先生にはなぜそれができなかったのか。先生のジェンダーアイデンティティがもともとは女性であるにも関わらず、なにがその差を生んだのか。それは、そりゃあ人間だし、性別を問わず信念や能力に差があるから当然でしょ…というのはそうなんですが、ぼくはスミレさんという女性職員と、心だけ女性の要素を持っている誠二の決定的な違いは「産めるか、産めないか」だと思っています。
ここらへんは脚本にもあまりハッキリと描写しなかったのでもう、ほとんど作者の裏設定的な、自己満足的な話になっちゃうんでやめましょう。
 
だけどこの「産める 産めない」は11月公演の大きなファクターにもなっているので、ぼくには大切なあれです。でももうやめましょう。
 
ぼくはあの公演ではしのちんさんと耕太郎という2人の素晴らしい客演さんと一緒にやれたこと、小川さんにステキな衣装を作ってもらって着れたこと、女の子みたいな声が上達したこと、劇団員がまたひとつ羞恥心を失ったこと、たった数人でも「とても良かったよ」と言ってくださった方がいたこと。それでもう、なんか、それ以上なにを求めるものがありますか。欲張りですよ!
本当にありがとうございました。
  
もう次の公演のいろいろが動き始めています。たくさん人がでます。もうすぐ今決まってる方だけでもサラリ……とご紹介できると思います。まだ決まってない方も数名いらっしゃいます。出てくれるかな、どうかな。
 
これからは次の公演のアレコレが決まり次第モリモリお伝えしていきますね。どうか今後ともよろしくお願いします。次は明るめで楽しげなやつです。
  
 
新Tシャツもそろそろ打ち合わせとかできると思うんで、ぼくが一番楽しみにしてます。
 
そういえばこないだ蒙古タンメン食べてたら汁がはねてめるTに落ちないシミがつきました。ポッポさん許さない。
  
 
 
一歌さんが描いてくれたぼく。
似てる。
 
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プロフィール

guizillen(ギジレン)

Author:guizillen(ギジレン)
guizillenとは?
2014年秋口に結成した手作り劇団。
メンバーは佐藤、門田、渡辺、片腹、オノ。
2014年末に第1llen
「センチメンタル・ジャーニー」でスタンディングオベーションに包まれて華々しくデビュー。
2015年5月に第2llen「非現実の王国」、2015年12月に第3llen「真鍮の月」にて着々とコアなファンを獲得している。2016年8月には第4llen「土木座」を満員御礼にて終了。12月には第5llenを公演予定。