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楽園の草 (佐藤)

こんばんは。
 
「賭け」の前も、「歌劇団」の前にもずいぶん長いブログを書きました。
だけど今回はなんだか長々文章を綴る気が起きなくて、それでも、なにも書かないのも少し寂しいなと思い筆を執りマウス🐀 
なにを書くかも決めていないけど、書いているうちに考えが整理されていけばいいな。
 
 
ブログを書かなかった理由に、書くだけの余裕がなかったということもあります。
 
今回の「楽園(le paradisと発音する)」の脚本はいまだかつてない難産で、7割程度の段階から完成に至るまでの期間はさながら地獄のようでした。
 
ご飯も喉を通りづらく(通った)、すべてを投げ出してどこかへ旅立ってしまおうかと考えたほどで、わたしの検索履歴には「アラスカ 渡航費」「高知県 家賃」などのワードが残っています。
 
辛抱強く待ってくれて、その間も出来上がっている部分の台本を一生懸命練習してくれた出演者たちのおかげで、そしてなによりぼくの苦悩と80ガロンのコーヒーの甲斐あって、この脚本は完成しました。
 
 
こんな風に書くと「急いででっちあげたんじゃないの」とか「出来栄えが悪いんじゃないの」とか思われそうですが、そんなことはありません。書きたいことが書けたと思います。
 
公演直前はいつも不安で仕方がないのに、不思議と今回はそれほどでもありません。面白いものになります。
 
お客さんがもろ手を挙げて歓迎してくれる作品になるかは、正直わかりません。
 
いつものことですが、いつも以上にわかりません。だけど、先の見えない、確信の持てない藪の中を進むことはとても勇気がいることで、勇気はとても尊いものですから、ぼくは今その勇気を持って進めていることをとても誇らしく思うのです。
 
わからない、ということがかつてこれほど楽しみで、ワクワクしたことはありません。
 
  
客演のお二人、
 
ナカゴーの篠原正明さん
カムカムミニキーナの菊川耕太郎くん
 
がぼくが期待していたよりはるかに素晴らしい役者さんだった、ということもぼくの気持ちを和らげている要因の1つでしょう。
 
俳優としての演技力はもちろん、脚本の意図を汲み取る力や、人柄がとても素敵で、未熟なわたしに勇気を与えてくれます。
 
 
お二人の今回の役柄を軽ーく説明しますね。
 
篠原さんはたくさんの役をやります。篠原さんらしいたくましいパワーが、いろんなフレーバーで披露されますのでどうかお楽しみに。
 
菊川くんはひと役。「先生」という役です。
サナトリウムで共同生活をする少女たちの保護者であり、劇中ではストーリーテラーの役割も担います。誇張でなく、ほかの出演者たちの9倍ほどのセリフ量ですから大変です。
 
稽古が始まる前にプロットを出演者たちに送ったら、「先生いい役ですねえ。やりたいなぁ」という声が数人から上がりましたが、晴れて菊川くんがその役を勝ち取ったわけです。その魅力をとくとご覧ください。
 
 
  
この「楽園」をそもそも書こうと思ったきっかけは、よく覚えていないので、また思い出したときに書きますが…(Le paradis)というタイトルは、フランス語なのですが、なんかオシャレっぽいし、きれいな雰囲気だからという理由でつけました。浅はか。
 
 
少女たちだけの共同生活…「秘密の花園」というタイトルの作品は映画であれ小説であれ世界中に1億個くらい溢れてるだろうから使いませんでしたが、そういう雰囲気の、なんだかきれいな、詩的なものが書きたいなと、そういう漠然とした衝動がありました。
 
  
いまさらネタバレもなにもないと思うのでハッキリ言いますと、この「少女たち」を演じるのは全員男性の俳優です。この性のねじれが「楽園」の大きなテーマになっていて、脚本がどうとか以前に、「少女」の実態からかけ離れた男たちが少女を演じている…このこと自体がお客さんたちにどう受け入れられるのか、非常に興味があります。
 
 
昨今LGBTという言葉もずいぶん浸透してきました。最近ではLGBTQといって、クエスチョン、つまり自分の性に対する認識や性指向が定まっていない人も加えて、性の多様性に深く理解を示していこうよと、そういう流れになっていますね。
 
わたしの性自認は男性ですが、思春期ごろまではかなり不安定な状態でした。当時LGBTQという言葉があれば、私はQないしTだね、と言われればそれがいちばんしっくり来たかもしれません。
 
少年のころの私は自分自身の体にそれほど強いものではありませんでしたが、疑問を持っていました。
それは二次性徴とともに強まり、やがて嫌悪感になっていきます。女の子らしい体つきや髪型に憧れて、お風呂場で自分の髪の毛や胸の肉を引っ張ったりしていたのをよく覚えています。性愛の対象が女性ではなく…よくわかりませんでした。
男の子を好きになったこともあります。中学二年生のころ、体つきがかなり男性的になって、年上の女性に初めて恋をして、それから徐々に私の性自認は男性になり、性愛の対象が女性にと定着していきました。
当時のことを思い出すと、なにか悪いことをしていたわけではないのに、妙な罪悪感や疎外感に苛まれていたなと思います。
今のわたしなら、当時の自分になにか心がスッと軽くなるような言葉をかけてあげられるかもしれないな。そんなことをたまに思ったりします。
 
だから(?)自分の演劇で、性に関するなにかしらのテーマを持ってお客様にアプローチできる、というのはとても嬉しいというか、やりがいのあることです。
 
だけれど勘違いしないで欲しいのが、全員に「性の多様性」に対して寛容になって欲しいわけではないのです。性の多様性が認められるべきであるように、性の多様性に対する感じ方や捉え方もまた、多様であるべきなのです。
 
ぼく自身にゲイやレズビアンの方を蔑んだりする気持ちはこれっぽっちもありませんし、そういうものが一種のジョークとして笑いものにされたり、そういうことに嫌悪感を持つ人がいることも理解しています。しかし、それを笑うのもまた自由、と言ってしまうと、これは不謹慎と思われるかもしれませんね。
 
「オカマ」という言葉が蔑称だから使うべきではない、とする向きがありますが、わたしはそれにはあまり関心しません。言葉狩りで文化背景や言葉そのものが持つニュアンスが失われてしまうのがイヤ。という意味もありますが、その理由では今回の話から少しズレます。
 
なんだろう。オカマと呼ぶ自由もまた、認められてしかるべきというのが、わたしの考えに近いかもしれません。きれいごとかもしれませんが。無責任かもしれませんが。
 
 
「楽園」では、かれんな少女たちが、詩を詠んだり、歌を歌ったり、そういう様子が、スネ毛ボーボーの男たちによって演じられます。それを滑稽だと言って笑うのももちろん大歓迎。わたしたちは笑ってもらえたら嬉しいし、いい気分になります。
 
笑えない人は、わたしたちが「今回はギャグはやらない」と言った意味を、どこかに見出すかもしれません。
 
こんなふうに書くと、もしこれで笑ったらまるで配慮のない人間じゃないか。とそんな風に「じゃあなにがなんでも真剣な面持ちで見るぞ」とそれも違います。
 
ウダウダと身の上話や、わたしの考え方を書いておいてなんですが、結局「いつも通りのあなたでわたしたちを見てください」というのが、いまわたしが言えるいちばんハッキリとした言葉です。
 
 
 
 
「楽園」からあなたはどんなものを連想しますか?
 
楽しい場所? 競馬場? おいしいご飯がたくさんあるところ? ほかに連想される言葉は?
 
失楽園、楽園追放、アダムとイブ、知恵の果実……
 
日本語としての表記は「楽園」ですが、発音のパラディ…つまりパラダイスには天国という意味もありますね。天国は死後の世界。救済。天国は地獄の反対。さあ、天国ってなんでしょうね。
 
  
わたしの言う「ギャグなし」というスタンスについて、そもそもわたしの言う「ギャグ」とは……書き出すとまた途方もない長いブログになってしまいますね。
 
冒頭であまり長く書く気はない、だなんて書いておいて、もうじゅうぶんに長々と書き垂らしてしまいました。
 
 
今夜はここまで。 
赤羽であなたに会えるのを心待ちにしています。 
 
ブエナスノーチェス
よい夢を。
 
 
 
公演詳細はピレネー山脈の下
 
🗻🗻🗻🗻🗻🗻🗻🗻🗻🗻🗻🗻🗻
guizillen 9llen
「楽園」
【日程】
4月18日(水)~4月22日(日)
【公演日程】
18日(水) 15:00~ /19:30~
19日(木) 15:00~ /19:30~
20日(金) 19:30~
21日(土) 15:00~ /19:30~
22日(日) 13:00~ /17:00~
各回受付開始・開場は開演の30分前
【チケット料金】
前売券/当日券…2,500円
【出演】
篠原正明(ナカゴー)
菊川耕太郎(カムカムミニキーナ)
あとギジレン劇団員全員
【会場】
十色庵 - (といろあん)
@赤羽
■JR赤羽駅南口から12分
■東京メトロ南北線志茂駅1番出口から7分
 
 
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プロフィール

guizillen(ギジレン)

Author:guizillen(ギジレン)
guizillenとは?
2014年秋口に結成した手作り劇団。
メンバーは佐藤、門田、渡辺、片腹、オノ。
2014年末に第1llen
「センチメンタル・ジャーニー」でスタンディングオベーションに包まれて華々しくデビュー。
2015年5月に第2llen「非現実の王国」、2015年12月に第3llen「真鍮の月」にて着々とコアなファンを獲得している。2016年8月には第4llen「土木座」を満員御礼にて終了。12月には第5llenを公演予定。